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というか俺が知ってる展開とは真逆だよねこれ!
いや、これが一般的な対応なんだよな。BL本の読まされすぎで洗脳されるところだったぜ…!
案外普通の人でよかった。これで惚れただなんだってなってたら副会長の人格疑ってたよ…
まあでもこの空気のままだと俺まで気まずいのでなんとかしたい。
「なに怒ってるんだよ!俺はお前のために言ってるんだぞ!」
「余計なお世話です。……よく知りもしない他人に口を出されるほど不愉快なことは、っ」
「ハイハイそこまで!副会長さんも落ち着いて。朝陽くんは思ったことなんでも口すればいいってもんじゃないの!…ってことで」
走って!と一言言って副会長の手を引っ掴むと王道転校生を置いて走り出す。俺は副会長を連れて逃走することにした!
転校生はいきなりの出来事についていけないのかフリーズしていた。ごめんよ朝陽くん…
でもこのままじゃ埒があかなそうだし。
…それに副会長が辛そうに見えたから。
この学園の地理もわからないまま、適当に走っていると中庭のような所にたどり着く。ここら辺まで来ればもういっか。
立ち止まって乱れた息を整えていると、副会長がぼそりと呟いた。
「…なにを、」
「んー、先輩キツそうに見えました」
「…もし、そうだったとしても貴方には関係ないことでしょう」
副会長の声には覇気がなかった。
近くにベンチを見つけてそこに副会長を座らせると、自分も横に腰を下ろす。
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