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そこにはうつ伏せで床に転がる人の姿が。
しかもガムテープのようなものでぐるぐる巻きにされている。
なんなの、なんなの!事件!?
合鍵の盗難とか…?
この部屋にいるということは恐らくこの人が寮長なんだろう。
真っ最中ではないことはよかった。
良かったんだけど予想とは違う方向の衝撃で動けないでいると、突然うつ伏せだったその人がゴロンッと勢いよくこちら側に転がってきたことで思わず悲鳴が漏れる。
「ひぇっ…」
「ン!ンン!」
俺を視界に捉えると何かを訴えるように呻くので慌てて近寄って口に貼られたガムテープをなるべく優しく剥がす。
「あの、大丈夫ですか、?」
「ふーっ、もっと勢いよく剥がしてくれてよかったのに!」
「え、?ん、え??」
「いやでも助かったよ、ありがとぉ~」
「はあ…?」
第一声満面の笑みで発せられたことが何を言ってるのか理解できなかった。
というかこの人近くで見るとすごいイケメンだ。
脱色された髪を後ろでちょこんと結んでいるがまたこれが似合っている。
ガムテープで巻かれるなんて一体何があったんだ…。
状況が読めずに呆けた声を出した俺にその人はへらりと笑った。
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