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「転入生待ってる間にガムテつかって自分で縛る練習してたら取れなくなっちゃってさあ~もうほんとびっくりしたよぉ」
「いやびっくりしたのはこっちのセリフですからね!?なんでまたそんなこと…そんなサプライズいりませんから!まだ心臓どきどきしてるの収まらないですよ…」
「んー?どれどれー?」
身体にぐちゃくちゃに巻き付いたガムテープものこらず剥がし終わり、床に腰を下ろして息を吐く。
心臓に手を当てて俺がそうぼやくと寮長に肩を押されて床に倒されていた。
完全に無防備だった俺は簡単に転がって寮長にマウントポジションを奪われてしまう。
「、っちょ、?!寮長!」
「あはは、ほんとだすごい心臓ばくばくいってるね」
「そりゃそうでしょうね!このままじゃ心臓止まっちゃうかもしれないので降りて下さい!!」
するっと心臓のあたりを撫でられておもわず肩がびくりと震える。
このタイミングで母さんに聞かされた寮長には節操無しが多いといういらん知識が頭をよぎって変な汗がでそうになった。
いやまさかね、まさかそんなことはない。
うん。ない。ないない。
半ば言い聞かせるように心で唱えていると頬に寮長の手が添えられた。
「綺麗なかお…ねえお願いがあるんだけど…」
「無理です!!」
食い気味になってしまったけど許してほしい無理です!!
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