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イケメンもとい青崎銀次が自室に引っ込んでしまったし、どうしたものかと部屋を見渡す。
そしておれの自室だろうと思われるもう一つの扉を見つけて開けてみると、ビンゴ。
山積みになったダンボールにはやくも現実逃避したいところだけども…
ここがおれの部屋で間違いないだろう。
「おわ~、ふかふか!」
カーテンやベットなどはあらかじめ用意されていると聞いていたけど、これは備え付けのレベルを超えてる気がする…
ふかふかのマットレスに座って改めてこの学園の非日常感に苦笑いが溢れる。
このままベットにダイブしてねんねんころりしたいのをグッと我慢してダンボールの山を睨みつけた。
明日から学校な訳だし今日のうちに片付けておかないとだよなあ。
この量を整理するのは骨が折れそうだ。
「さっさと終わらせちゃいますか!」
気合いを入れなおして開封作業を始めるといつのまにか時間を忘れて没頭していたようだった。
というか山積みのダンボールの一部にはもじゃもじゃの鬘やら分厚いメガネやら。更にはボーイズがラブな薄い本や薄くない本が詰められていた。
いつのまにこんなものを……。
それらはそっとクローゼットの隅に封印させていただく。南無。
そしてやっとあらかた片付いたと一息つくと、カーテンの隙間から差し込んでいたオレンジ色の光も次第に薄暗くなっていることに気づく。
いわゆる夕飯時というやつだ。ちょっと早いか?
そういえばお腹すいたなあ。
一応共同スペースにキッチンもあったけど今日は疲れたし学食か購買で買ってきてしまいたいところだ。
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