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そんなこんなで怪我の処置もおわり、禍々しいダークマターは処理して2人で食堂へ向かう。
道すがら銀髪くんに食堂のシステムやおすすめメニューを聞いて今にも鳴り出しそうなお腹をさする。
思えば家を出る前に食べた朝食から何も食べていないんだから当然だ。
ガッツリいきたいな…と夕飯に想いを馳せながら食堂へと続く渡り廊下に出た所で、突然後ろからぽん、と肩に手が載せられる。
「? …あ、」
「やあ、先程ぶりだな?」
振り返ると昼間にエレベーターで声をかけてくれた黒髪の人だった。
やはり制服を着ていてネクタイの色からして先輩だろう。
「はい。昼間は親切にしていただいてありがとうございました。…あの、失礼ですが以前お会いした事が…?」
「ん?ああ…ははっ、すまない自己紹介をしていなかった。俺はこの学園の生徒会長を務めさせてもらっている高羽 遙だ。改めてよろしく」
「せいとかいちょう…」
なるほど、名前を知っていたのは事前に書類を見る立場だったからということらしい。
というか生徒会長…王道学園の生徒会長といえば俺様だと書かれていたけど…
「ふふ、そう身構えないでくれ。実は君の兄の零紀とは友人なんだ。だから君のことは以前から知っていたんだが、零紀からは何も言われていないのか?……俺には近付くなとか」
「えっ 零にぃのお友達なんですか!?……いや、あの、零にぃは知らないんです。おれが転校したこと…」
零にぃはあまり家に人を連れてきた事がないから知らなかった。謎に包まれていた友人関係が明かされてすこし嬉しい。
会長さんはおれの返答に目を丸くして、何かに納得したように笑った。
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