06.食堂でイベントは必須らしい。

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「ああ、どうりで。零紀があれだけ溺愛している弟をみすみす転校させるはず無いだろうにと不思議だったんだ」 「あの、だから、零にぃには…」 くく、と楽しげに喉を鳴らす会長さんを伺うようにおねがいすると彼はにっこりと笑う。 「勿論。こんな愉快なこと簡単に種明かししてしまっては勿体なかろう。今からこの事態を知ったあいつの反応が楽しみだ」 「…相変わらず悪趣味」 爽やかな笑顔で不穏な空気を仄めかす会長さんに今まで黙って成り行きを見守っていた銀髪くんが変わらぬ無表情でぼそっと呟く。 なんだかあんまり仲の良さそうな雰囲気ではないけど…知り合いなのかな? 「まったく。生意気なところはおまえも相変わらずだな青崎。…それにしてもさっそく仲良くなってるようで何よりだ」 「……うざい。相手するの、時間の無駄。いこ」 「って、え!?まっ、まって、!?」 にやにやとしながら頭を撫でようとした会長さんの手をはたき落とすとおれの腕を掴んで歩き出す銀髪くん。そんなことしていいの!? そんなに強い力ではなかったが突然のことで数歩たたらを踏んで話途中であった会長を振り返るとひらひらと手を振られた。いいんだ!? 特に珍しい反応でもないようで、会長さんに気にした様子はない。 「きみが入学してくれたことを心から嬉しく思うよ。また、な」 「、あっはい!また!」 振り返るそぶりもみせず、ずんずん進む銀髪くんに連れられながらもぺこりと頭を下げると躓きそうになって慌てて前を向いた。 会長さんもいい人そうでよかったあ… こんど外での零にぃの話きいてみたいな。 「…本当に、嬉しいよ。俺は非王道派だからな。くくっ」 ……背後から寒気がしたような…いや、気のせい…だよね?
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