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「うわー、ひろい…」
「こっち、あいてる」
食堂に足を踏み入れると時間も時間だからなのか食堂はガヤガヤと賑わっている。
食堂というよりレストランといった表現が似つかわしい内装だけど…ロフトのような二階席やテラスまであるようだ。
銀髪くんに連れられて壁際の席に着くと注文用の電子端末があり、これで注文をするらしい。
操作方法を教わりながら注文を済ませてひと息つくとチラチラと周りからの視線を感じる。
やっぱりこれだけ人数がいても転入生って目立つのかなあ。ほんの少し居心地の悪さを感じて身じろぐと同時に近くで悲鳴が上がった。
「だーれだ?」
「!?、えっ、?」
突然の異様な雰囲気に、辺りの様子を伺うより先に何かによって目隠しをされてしまう。
語尾にハートマークでもつきそうな声で目隠しされるような間柄のひとはまだこの学校にはいないと思いたい。
…いや、でも、この声は、
「いおり、?」
「ふふ、正解です」
ぱっと開けた視界に振り返ると上機嫌で副会長、伊織が立っていた。
「これ、しりあい?」
「えと、今日理事長室まで案内してくれて…」
「ああ、いたのですか青崎。珍しいこともあるものです。それよりこれ、というのはもしや私の事ではありませんよね?もしそうと仮定するならば先輩を敬えないようなそのクソ生意気な口は石でも詰めて縫い付けますが?そもそも何故私を差し置いて刹那の初ディナーを共に過ごすつもりなんですか?何様ですか?埋めますか?」
ひ、ひええええ…!
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