06.食堂でイベントは必須らしい。

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王子様さながらな笑顔で早口にまくし立てる伊織に銀髪くんは面食らったようにパチパチと瞬きした。 そしてちらりとおれに目線をむけて曖昧な表現をしたが、伊織には通じたらしい。 「あんたこそ、珍しい」 「ええ、まあ。貴方には一切関係ありませんが私と刹那には色々ありましたので。貴方には一切関係ありませんが。」 銀髪くんは伊織の攻撃的な態度を物ともせず聞いた割に興味ないのかそっぽを向いてしまった。 なんて気まずい…!心なしか食堂自体が静まり返っている気がするのだけど、気のせいであってほしい。 「大変お待たせいたしました。オムライスとステーキ定食でございます!」 どちらにお並べしますか?とそんな空気を物ともせず颯爽と美味しそうな香りを連れて現れたウエイターさんが天の助けに思えてしまう。 「オムライスだなんて可愛らしいですね」 「オムライス…」 うっとりとしたように俺を見て呟く伊織とウエイターさんに向かって銀髪くんが挙手するのはほぼ同時であった。 近くからそっち!?という声が聞こえてきた気がして、そういえば母さんの本だと転入生はオムライス食べるんだったっけ、と思い出す。 でも、おれはお肉食べたいもん。 銀髪くんは和食派らしいけど今日は包帯巻いているのでスプーンで食べられるものにしたらしい。 伊織もお前が食うのかと言わんばかりの目線を銀髪くんに向けるが彼はそれをスルーしてスプーンを手に取った。
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