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「あ!せっちゃん。れいちゃんには転校のことまだナイショよ!」
「内緒って言ったって…零にぃ週末はいつも帰ってくるじゃん」
零にぃが全寮制の学校に行くことになった時はめちゃくちゃ泣いたなあ…
だから零にぃと同じ学校入る!って言ったのに、俺の学校は危ない所だから絶対に駄目って言われたんだった。危ない高校っていうのが想像つかなかったけど零にぃが言うなら間違いない。
でもその代わりほぼ毎週、週末は帰ってきてくれる。
零にぃの高校はここから2時間ほどの所にあるけど、俺の所は更に遠い。帰ってこれるのは大きな休みぐらいだと思う。
そっか。俺が転校して寮に入るってことは今までより更に零にぃに会えなくなるってことなんだ。
それは、さびしいな…
「ふふふ問題ないわ!この時期は新入生歓迎会とかイベントごとが沢山で会長のれいちゃんは大忙し!少なくとも今週は帰ってこないはず…その間にことを済ませてしまえばいいのよ!その名も!既成事実作成!」
「……はぁ」
あんまりな作戦名に何も言えなかった俺の代わりに慧くんのため息が聞こえた。零にぃ、怒るかな。
「ということで出発は明後日よ!準備しておいてねせっちゃん」
「あさっ、……!?」
あまりにも急すぎて変な声が出た。
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