突然の出来事

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 なんだかんだ長かった入学式はあっという間と言えばあっという間に終わった。  ひと息つき、上を見上げる。やっと入学式が終わる。それだけで感無量です。パイプ椅子の下に、スーパーの袋を置いていた。その中には下靴を入れてある。  入場した時は、1組からの入場だったのだが、退場の際は逆になるらしい。うちの学年は8クラスある。最終クラスは8組だ。その8組が最初に退場する事になる。  俺は運悪く1組である。そんなに長い間待っていなくてもいいのだが、その間が長くて、怠くもある。やっと終わったのに。  そして十数分後、ようやく退場の指示が出た。1組の生徒は全員一斉に立ち上がり、背伸びをしている。  とりあえずケツが痛い。  生徒会である上級生について歩き、体育館の外を目指す。1分もせずに歩き、保護者からのカメラから逃れ歩く。  そして、外に出る。空を観た。雲が全く無かった。嘘のない、虚無の空。綺麗だ。太陽が暖かい。体育館近くにあった校舎近くに見える花畑があった。先程水をあげたのだろうか。美しく輝いている。  穏やかな気持ちで居たその時である。頭の上で急にドロンと生々しく、鈍い音がした。  空から何か落ちてきた。  黒い何か。
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