49人が本棚に入れています
本棚に追加
「空から降ってきた…んだよな。はっ……。意味が分かんねえ…。」
とりあえず持っていたスーパーの袋に手を入れ、靴を出し、上靴と履き替えた。
辺りを見渡してみた。この学校に居る人間全員が、あの黒い何かに飲み込まれたわけではなさそうだ。何人かは校舎の中へと逃げた様だ。
こんな冷静に状況を判断している場合なのかどうかは分からない。とりあえず俺はとても冷静と言うわけでは無いという事を把握してほしい。
とても焦っている。何か分からない恐怖に。冷や汗が止まらない。
とりあえず上靴は地面に置いて、走った。どこへ。分からない。とりあえず黒い何かが襲って来ない場所へと行きたい。
もっと落ち着いて、冷静に考えたい。意味が分からないにも程があるこの現状を。
とりあえず近くにある校舎の入り口へと走る。そうすると自然に周りから黒い姿を模した人間の様な何かが襲って来る。怖い上に気持ち悪い。
とにかくダッシュ。飲み込まれたら一巻の終わりである。右から、左から、後ろから、前からと順番に襲って来た黒い何かの攻撃的な何かをとにかく避けて避けて、校舎へと近づいて行く。
重たくも軽くもない足を一歩一歩持ち上げて、走る。こいつらの動きは、俺と比べたら比較的に鈍い。
躱すだけなら、何とかなる。と思いながら走っていたら、何かに引っ掛けた。これは、黒い何か。俺の足を引っ掛けやがった。
前のめりに倒れそうになる。これまで一瞬の出来事であった。しかしその一瞬で一気に身体に恐怖という名の敵が襲い掛かってきた。怖い。死ぬ。死ぬのか。
死ぬのかも知れない。嫌だ。死にたくない。なんでこうなった。こいつらはなんなんだ。何故空から降ってきた。空から来たという事は、宇宙人か何かなのか。エイリアンなんて勝ち目があるわけないだろう。
今日が地球人の寿命という事なのだろうか。そういう事か。それにしても入学式に合わせられると腹が立つな。なんだかんだ高校生活は楽しみにしてたんだ。お前らに潰されてたまるかよ。
最初のコメントを投稿しよう!