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窓から眩しい朝の光が差している。
褥の中で、都季は眩しさから逃れるように首を横に向けた。
否、逃れたいのは眩しさだけではない。
「おい、堪えるな。良いなら声を出せ」
偉進の重みがのしかかった。
唇を吸われた。
偉進の肌は熱い。
絡みつく舌さえ、熱を帯びている。
「何故……」
「ん?」
「朝から、かように盛んなのですか……」
吐息混じりの声で問うた。
偉進のこめかみから伝いおちた大粒のしずくが、ぽつりと都季の胸に落ちた。
「朝だからに決まっておろう」
時折、偉進の言う愛とは、体を重ね合わせることではないかと思う。
都季を気にかけてくれるのは事実であるし、都季のために大枚をはたくことさえ惜しまないのも事実。
しかし、金で片付けてばかり、と思うことさえある。
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