女のこのこのこの魔法

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その黒猫はまほの質問に答えた。 「よく聞いてくれた、俺の名は黒…」 黒猫は答えようとしたが或る時の事を思い出し、続きを喋るのを止めた。 思い出したのは、キヤクの説明の言葉だ。 『これからあんたには魔法少女を一人契約させてその魔法少女を一人前に育てる仕事をしてもらう。その代わりあんた自身の事を相手にバラしたら…わかってるわよね?』 理不尽な心境のまま勝手に魔法生物にされ、魔法少女を契約させて育てると言った仕事を押し付けられた黒猫、かつてはブラック企業で働く従業員、黒井 キギョウ。 彼はキヤクからそう命令されたばかりでなく、一人契約させるまで戻って来るなとわけもわからず入口まで蹴飛ばされ、こうして魔法少女の素質たる者を捜していたのだ。 しかし魔法少女の素質がある者以外はキギョウを見つけられず、キギョウは空腹を抱え、気がつけばゴミ袋の山で残飯を漁って命を繋げようとしていたのだ。
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