一章:転校~Impact~

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実は先生もこの学校に来たばっかりで迷ったのではないだろうか? 僕がそんなことを考え始めたころ、ようやく教室に到着した。 先生は僕に「ここで待つように」と言って教室に入って行く。 ポツンと廊下に取り残された僕は今日から自分の学舎となる学校の廊下を眺めていた。 今どき木造校舎ってあるんだなぁ……。 この学校を初めて見た時にも思ったことだけど、改めて廊下やら教室を見るとそれを再確認せざるを得ない。 あちこちにキズがついている廊下をずっと奥までみる。 …………先が見えない。 『おぉ!!』 突然、教室内から大きな声が聞こえて僕は驚いた。でもすぐにそれが自分の事だと思うと無性に緊張してきた。 ヤバい、トイレにも行きたくなって来た…… 「じゃあ入って来て」 先生がドアから顔だけだし、僕に教室に入るように言う。 教室内のザワメキは最高潮に達する。 僕はトイレに行く暇もなく(そもそも僕はトイレの場所すらわからないんだけど)教室に入る。 教室に入ると同時にまるで有名人が来日した空港のような拍手で僕は迎えられた。
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