二章:昴くん~Friend~

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「呼び出しちゃってごめんね」 といきなり謝られ、智美さんは本題に入った。 内容は昴くんが倒れた時の事だった。 「あたしはあの時なんにもできなかった。だから充くんが凄いなぁって思ったの。それを伝えたかったの。ごめんね」 あの時は僕もよくわからなかった。気づいた時には昴くんに駆け寄っていたし、気が付けば昴くんを保健室に運んでいた。 「あんなことで動じるようなら委員長失格かな?」 冗談ぽく言う智美さんに僕は「そんなことないよ」と言った。たぶん気休め以外の何にもならないとは思うけど僕はそう思う。 「ありがとう」 と言うことがあったのだ。 更に驚いたのは昴くんも東京生まれだと言うこと。都会はうるさくて昴くんの体には良くないと言う理由で引越してきたんだそうだ。 「うるさいのが嫌いならなんでいつもそんな音量で音楽を聞いているの?」と聞いたら昴くんは「雑音と音楽だったらどっちを大音量で聞きたい?」と言ったので僕は妙に納得してしまった。
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