二章:昴くん~Friend~

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昴くんは静かに寝息を立てて眠っていた。 なんだか僕は毎回はぐらかされてる気がするなぁ……。 三時間目が終わる頃、昴くんは目を覚ました。 そのすぐ後に保健室の先生も帰ってきた。 先生は「はい、留守番ご苦労様」とアイスをくれた。それを二人で食べて四時間目からは授業に出た。 教室に戻ると、鈴木くんの姿がなかった。 どうしたのかな?と思っていたら智美さんが「先生にこってり怒られてる」と教えてくれた。 翌日、僕は珍しく早めに学校についてしまった。 一番乗りかな?と思い教室に入るとそこには既に人影があった。 昴くんだ。 「お、おはよう」 「おはよう。本田くん」 昴くんはいつものようにイヤホンをつけて、手には何か、小さな袋を持っていた。 「これ……昨日はありがとう」 昴くんはそう言ってその袋を僕にくれた。 「ありがとう……」 渡された袋は綺麗にラッピングされていた。中を覗き込むと小さなお菓子が入っていた。 「あのさ……」 今度こそ僕は言う。 「僕と……僕と友達になって欲しい」 言った!ようやく言うことができた。 好きな人に告白するくらい緊張した……。
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