三章:昴くん家~Mystery~

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そういえば僕はこの町の風景を良く見たことがなかった。ただ何もないくらいにしか思った事がなかったけど、自然が溢れていると言うのは悪くないかもしれない。 「ついたよ」 気が付けば目の前には二階建ての年期の入った家がたっていた。 表札には「雪石」と書かれている。 ここが昴くんの家……。 昴くんはポケットから鍵を取り出し鍵を開ける。 「さぁ、入って」 玄関をあけて昴くんが中に案内する。 僕が家に入ると昴くんが驚くべく行動にでた。 それは―― イヤホンを外したのだ。 鈴木に取られそうになったとき、固くなに取られるのを拒んだあのイヤホンを……。 僕は驚きのあまり、靴を片方脱いだ状態で止まってしまった。 「そんなに驚かないでよ」 「だって……」 僕は昴くんがイヤホンを外した時の事を思い出した。 叫び、倒れてガクガク震えていた昴くん……。 「あの時は学校内だったから……ほら、ここは静かだから」 昴くんもあの時のことを思い出しているのだろう、僕を安心させるように言う。
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