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昴くんの秘密を知って数日、僕はやきもきしていた。
と言うのも、僕はまだ東京のおじさんの所にいる。
電話をかけようかとも思ったけど、連絡網を忘れてかけることができなかった。
昴くんにこっちの電話番号を教えていないので昴くんから電話がかかってくることもない。
僕は早く昴くんに「あのこと」を話したいのだけど……。
そして、今日!ようやく夏休み最終日を迎えた僕は、光日市に向かっていた。
帰ったら一番に昴くんに電話をしよう。
いや、直接家に行くのもありかな?。
それとも昴くんは町の図書室にいるのかも知れない。
「あら?何かしらね」
僕がこれからの行動を考えていると、お母さんが車内から外を見ながら言う。
「火事か何かか?」
父さんが言う。
僕もお母さんが見ている方をみる。
町並みの向こうに黒い煙が見えている。
たしかあの方向には……
たしか――
昴くんがよく行くデパートが……
「父さん!煙の方に向かって!!お願い」
気付けば僕は父さんにそう言っていた。
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