四章:秘め事~Secret~

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しかし、僕の声は炎と辺りの騒がしさで昴くんには届いていない。 「昴くん!!」 僕はもう一度声をかけるが結果は同じ。 消防員に連絡しなきゃ。 いや今から呼びに行ったら間に合わないかもしれない……。 僕は必死に考えた。 昴くんに確実に声が聞こえる方法を。 もう一度、昴くんの方を見る。 よく見ると昴くんがイヤホンをしていないのがわかる。 ――読心術―― その昴くんを見て頭によぎった言葉。 これだ!! 僕はすぐにデパートのギリギリに近づく。 昴くん!!聞こえる?聞こえてたら下をみて!! 僕は目をつむりながら必死に昴くんに語りかける。 何度目かの語りかけに昴くんがようやくこっちを向いた。 「昴くん!!」 「本田くん!?」 目が合うと昴くんは僕がいることにビックリしていた。 でも今はそれどころじゃない。 急いで昴くんをここから脱出させなきゃ。 昴くん、そこから飛び降りるんだ! 必ず僕が受け止めるから!! それを聞いた昴くんは少し怯えているようだった。
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