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「でもバレたのが本田くんでよかった」
昴くんはそう言って僕の目の前に回り込む。
僕はたぶん、顔を真っ赤にしてただろう。
まだ顔をあげられずにいた。
「ありがとうね」
昴が言う。
僕はようやく顔をあげることができた。
昴くんの顔が予想以上に近くて少しビックリした。
昴くんの顔は炎に照らされてか、赤く、そして目がうるんでいる。
僕は口から心臓が出ちゃうじゃないかと言うくらいドキドキしている。
そして、あろうことか昴くんはゆっくりと目をつむり、顔を僕に近づける。
こっちに誰かいるぞ~
鼻と鼻がくっつきそうな位まで近づいた時、遠くの方で声が聞こえた。
僕たちはビクッと驚き、スグに離れる。
「ご、ごめんね」
「う、ううん」
僕たちはそのまま逃げるように、それぞれの親の元に向かった。
その日の夜、明日から学校だと言うのに僕は中々寝付けずにいた。
目を閉じれば昴くんの胸の感触がハッキリと思いだされて、そんなつもりじゃない!と振り払っても、初めての女の子の胸に興奮しない訳がなかった……
そして――夜は明けていく……
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