五章:想い~Shooting star~

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結局、ほとんど眠れないまま夜が明けてしまった。 長いようで短かった夏休みは終わりを告げた。 なんとなく気が進まないまま僕は学校に向かう。気が進まないと言いつつも、いつもり早めに家を出ている自分がいた。 「あ……」 教室に入るとすでに昴くんが席にいた。 他に生徒の姿はなく、僕たち二人だけしかいない。 『…………』 沈黙が朝の教室を支配する。 『あの……』 僕と昴くんが同時に同じ事を言ってしまう。また沈黙。 『ねぇ……』 よく見れば昴くんの顔はほんのり赤い。たぶん僕はそれ以上に赤かったのだろう。 結局話しかける機会が見つけられず、二人が黙っている間にクラスのみんなも登校してくる。 その日は始業式やら、宿題の提出やらで一度も昴くんと話せずに終わってしまった……。 翌日は翌日で休み明けのテストでまた話す機会がなかった。 さらに翌日には席がえで僕と昴くんは離ればなれになってしまった……。こうなると小心者の僕は更に昴くんに話しかけることができなくってしまった……。
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