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僕は一回しか好きって言ったつもりはないのに……?
まさか……
ある考えにたどり着き、僕は昴くん以上に顔が真っ赤になってしまった。
この想い、全部昴くんに筒抜け……?
僕がそう思うと昴くんは恥ずかしそうにコクンと頷いた。
「え?でも……イヤホン……」
そうなのだ。昴くんは未だにイヤホンを着けたままなのだ。
「電池……切れてたんだ」
たしかにいつもは音が漏れているのに、今は何も聞こえてこない。いったい昴くんにはどの辺から筒抜けだったんだろう……?
ダメだ!考えれば考えるほど恥ずかしい……。
僕は昴くんの顔を見ることができなくなっていた。
でも、昴くんは僕のことをどう思っているんだろう?
肩越しにチラッと昴くんを見る。
昴くんは未だに僕のズボンを握ったままうつむいている。
「僕も…………好き…………だよ」
昴くんがそう呟いた。驚いて僕が振り向こうとすると昴くんは、僕の背中にギュッと抱きついてきた。
「昴……くん?」
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