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「明日だね」
空が暗くなり始めた頃、僕らはクレープ屋を後にした。
智美さんと別れる時、そう言われたけど、僕には何のことかわからなかった。
「明日ってなにかあったっけ?」
僕は智美さんに聞き返す。
「昴の取材だよ。あ、私こっちだから、じゃあね」
智美さんはそう言うとさっさと歩いて言ってしまった。
昴くんの取材!?
僕はそんなの聞いてないよ?
そもそも昴くんは取材は受けないんじゃ……。
なんで智美さんはそんなことを知っていたんだ?
分からない事だらけのまま、僕は道端に立ち尽くした。
翌日、僕は昨日智美さんが言ってた「昴くんの取材」が気になって仕方がない。
放課後になると僕はスグに教室を飛び出した。
そのまま昴くんの元へ行こうとしたけど、誰かに腕を掴まれた。
振り返ると、僕の腕を握っていたのは……智美さんだった……。
「智美さん?」
「……ちょっと話があるんだ……」
智美さんはうつ向きながら小さな声で呟く。
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