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「おはよう、充」
やってきた僕に気付いた昴がいつものとびっきりの笑顔を僕に向ける。
その笑顔は今の僕にはとてもまぶしくて昴の顔をちゃんと見ることができなかった。
「う、うん……おはよう」
明らかにおかしな僕の態度に昴が首をかしげる。
僕は心配させないように「昨日寝れなくて」と曖昧に誤魔化した。
幸い、昴はイヤホンをつけている。
その日は一日中僕はおかしな態度だった。上手く誤魔化そうとすればするほどギクシャクしていく。そんな僕をとても心配してくれる昴がとても愛しくて、離れたくなくて……。
昴の見せる行動一つ一つが僕の心に重くのしかかる。
今日はなんとか乗りきった……。
でもいつまでも隠し通せる自信が僕にはなかった。
冬休みまではあと10日……。
それまでにはなんとかしなきゃ……。
翌日も僕の態度はおかしかった。
「ねぇ、充、なにかあったの?最近変だよ?」
昼休み、僕らのいつもの場所、図書室奥の勉強スペースで昴がとても心配そうに聞いてきた。
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