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「いま、なんて…………」
「なんてって…………だから、私、もうすぐ消えちゃうんだって」
「は?それって…………まさか、この前の星降る夜の?」
「うん」
「なんでお前、そんなところにいたんだよ」
「友達の家があの駅の近くなのよ。友達に会いに行って、その帰りに光を浴びちゃって」
呆然とする雅哉とは対照的に、美鈴は相変わらずメニュー表を見たまま平然と答える。
「なんで今ごろ言うんだよ。今までわからなかったのか?」
「ううん、すぐわかったよ。でもね、もうびっくりしたよ。だっていきなりスーツを着た男の人が二人、家に来るんだもん。すごいよね。防犯カメラの映像で家まで突き止めるなんて。『あの日、光をあびましたか?』って聞かれて、まるで映画のはじまりみたいでどきどきしちゃった」
「すぐわかったのならなんですぐ言わないんだよ!」
「え~、だって、ここのところ休みがあわなかったじゃない。雅哉しばらく仕事が忙しいって言ってたし」
「電話とかメールとか、方法はいくらでもあるだろ!?」
「ん~、そうだけど、やっぱりこういうことは直接言った方がいいかなって思って」
というわりに、美鈴はやっぱり雅哉のほうを見ようとはしない。
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