地味という事実は、覆すことができない

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そんなこんなをしているうちに12月も終わりに近づき、気づけば毎年恒例のメンテナンス会社との合同忘年会当日になっており、 今は相手が指定してきた店へと仕事終わりに三人で向かっているところだ。 「行きたくないんですが」 ポテポテとやる気なさそうに隣を歩いている角野が、憂鬱そうにため息をついた。 「向こうの方が人数多いから、毎年アウェー感があって嫌なんです」 同じようなことを毎年言ってくる角野にちょっと笑けてきたが、とりあえずは軽い口調で励ますことにする。 「確かに。でも毎年行ってるから顔見知りもいるし、席に座ってりゃ誰かが話しかけてきて居づらさは薄まるさ」 俺の励ましを面倒くさそうに聞いていた角野は、前を向いたまま 「まー小宮さんならそうでしょうけど。私はそう簡単にいかない時もありまして」 とっても悲しそうにつぶやき、そしてふと俺の顔を見上げてジッと眺めたあと唐突に物凄くイラっとした表情になり言った。 「小宮さんが、一度ならず、生まれ変わる度に――― ”不細工になる”という呪いにかかればいいのに」 (角野? 俺がお前に一体何をしたっていうんだ) 「なんだよそれ、やけに怖いな。でも簡単じゃないんだったら慣れてる俺の横にずっと座っとけばいいだけだろ」 物騒なことを言われたことに多少の動揺をしながらも、なだめるつもりで小宮の隣席をオススメしたのだが、 角野はさっきよりも更に大きなため息を長く吐きだし 「それは、かなりの勢いでお断りします」 小宮の隣は嫌です、てな感じで首を横に振られてしまった。
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