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冷蔵庫の中の全ての食材と調味料が賞味期限を越え、更に消費期限を越えている。
例を挙げるならば醤油は四年前の夏に、キムチに至っては七年前の冬に昇天されている。
特別、これと言って臭いニオイがある訳でも無かったが――むしろ臭くない方が恐ろしい――結局何を作るにしても元々無理だったワケだ。
とは言いつつも腹は空いているし買い物は出来れば行きたくないが、どうやらそうせざるを選ないらしい。
「なぁ、材料全部腐ってんだけど?」
取り敢えず冬真は、冷蔵庫の現状をじじいに報告する。
知っているのだろうか、祖父は冷蔵庫の実状を。
「ぜ、全然腐っとりゃせんよ。ほらこれとか……」
祖父は目をまったく合わせようとせずにあるモノを取り出して、それの詳細表示の場所を指した。
「? これって今日食べる用に買った弁当じゃねぇのか? ……んじゃ、じじいはソレ食ってろ。愛染、「飯食ってく?」って、俺が訊いたんだけど、時間掛かりそうだし今日は帰って食った方が良さそうだぞ」
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