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目をパチクリと瞬きさせる様は魅力的な彼女を更に引き立て、同年代の多くの男性を虜にしただろう。
「ダメとは言っていないが、上司なのだから訊く権利くらいあるだろう? と言うよりも、だ。その程度の申請くらいここ(警視総監執務室)まで来る必要なんて無かったんじゃないのか?」
彼女の言動に対してやや納得のいかない警視総監殿は訝しげな視線を送る。
が、受け取った書面にはしっかりと署名を済ます。
伯父と言う立場である、彼なりの優しさだろうか。
「だ、だって……ほら、敷宮総監の顔が見たかったから……ですかね?」
取り繕い、焦りを隠せていないのは昔から変わらないな。
彼には直ぐに冗談だと解り、内心苦笑いを浮かべながら書類を彼女へと返した。
「なに言ってんだ、まったく。……ん? もしかして、また今から探偵気取りでも始めるのか!? 勤務時間中だぞ? 分かっているのか?」
「ちょっとぉ、分かってますって! でも「気取り」はあんまりですよ。ちゃんと順を追って捜査をしているんですから!」
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