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私はソファーに座り、スマホの画面を見つめながら部屋で固まっていた。
部屋には私一人だけ。
つけっぱなしのTVからは、この部屋の重苦しい雰囲気なんか関係なく深夜のお笑い番組の笑い声が流れていた。
「さぁて…どうしようかな」
声に出してつぶやいたものの、もうどうするか答えは出ている。
なのに行動に移せない。
その一歩を踏み出せない。
携帯の画面には…――
不気味な画像が写っていた。
黒の背景。
そこに赤っぽい――…‥煙のような、幽霊のような物体がいた。
輪郭はぼやけているが、目と口と手と胴体らしき体格は判別できる。
それの両手には、赤く血塗られた鎌を手に持っている。
その幽霊らしき物体はゆらゆらと揺れ、ニタニタと笑いながら、目が黒から赤へと変わっていた。
その顔はこっちを馬鹿にしているかのようで。
心底楽しんでいるようで。
笑っている口角は上へと不自然なまでに吊り上がっていて、見ているだけで不快感と不安を抱かせる。
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