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「納得がいってないようだな…
自分達が、姫野達の作戦の中にずっといたことも、気づいていないようだしな…」
そう、愛羅達の作戦はこの平地にたどり着いたところから始まっていたのだ。
愛羅達が降り立った平地は、辺りに湿地が多く霧が発生しやすい場所だった。
居住区の住民からも、霧のせいで視界が悪く、薬草の多く生えるこの湿地で、薬草を採るのが大変だと言う声が多々あるくらいだ。
そして、愛羅が提案した作戦は、まさにこの場所にうってつけだった。
「この辺りの湿地の霧を利用して、身を隠せないかな…?」
「霧?
確かにここは湿地だらけで、霧は起こりやすいけど、身を隠せるほどの濃い霧は、そうそう起こらないぞ?」
いくら霧が発生しやすい湿地とは言え、身を隠せるほどの濃い霧はそう簡単には発生しない。
だからこそ、愛羅には考えてることがあった。
「アランは、火(ラジェ)と水(ルシェ)使えるよね?
水は蒸発すると水蒸気になるから、それを急激に冷やせば、上手く霧になると思うの。
一ヶ所だけ霧が濃いと怪しまれるから、私が風(ティーファ)で広範囲に広げれば、なんとかなると思う。」
お互いに使える魔法、決めてた役割をきちんとこなす…
(……まぁ、一筋縄ではいかないだろうが、それでも俺が何の魔法を使えるかちゃんと把握してるのか…)
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