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自分の魔法をまだ完全にコントロールしきれないため、愛羅は自分から進んで複数の属性を使おうとはしない。
この模擬戦でも、使っているのは風(ティーファ)と土(アンジュ)を使った基礎魔法だけ…
だからこそ、自分のパートナーであるアランの魔法は、とてもありがたいのだ。
「霧を上手く使うのは賛成だが、偽物(ダミー)に上手く引っ掛かってくれるか…?」
「大丈夫、あの二人だったらたぶん引っ掛かると思う。」
アランは霧を、愛羅は偽物(ダミー)を作りながらそんな話をしていた。
だが、アランには愛羅の言っていることの根拠が分からない。
(男の方は、さしずめ俺と互角にやればギルドに入れると思ってるんだろうけど、他にも理由があるのか?)
そんなことを考えながらも、やはり愛羅の意図は掴めなかった。
「ねぇ、偽物(ダミー)こんなでいいかな?」
「そうだな。
じゃあ、お互いが見えなくなる前に、霧を辺りに散らしてくれ。」
そうして出来たこの作戦の場に、相手のペアは何の異変も感じずにやって来た…
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