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「じゃあ、何で評価してもらえないんですか!?」
いまだに先生に食って掛かる少女は、愛羅に負けたくない一心なのか、必死に見える。
なぜ必死なのかは、本当の理由は愛羅たちには分からない…
「お前がこの模擬戦の意味に気づいていないからだ。
私は最初に言ったはずだぞ?
『パートナーの得手不得手、自分の得手不得手をきちんと理解し、お互い協力して足りない部分を埋めるように』と…
お互いなんの属性が使えるのか、ちゃんと分かっていて、尚且きちんと作戦を考えていれば、もっと互角にやりあえてたはずだ。」
「あっ…」
先生の言葉に、ぐぅの音も出なくなった…
「姫野達は、お互いが使える属性だけでなく、お前たち二人の使える属性も理解した上で、ここの土地を利用した作戦を立てた。
それは、お前たち二人にないことだ。
ましてや、姫野はこの世界に来て日がまだ浅い。
にもかかわらず、この土地の特性を理解していた。
自分はこの世界の者だと言うことに、胡座をかいていたお前に評価は出せん。」
「……………」
先生がすべてをはっきり伝えると、少女は俯き何もしゃべらなくなった。
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