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少し可哀想と感じながら、愛羅は二人に掛けた魔法を解いて、自由に身動きがとれるようにした。
「…どういうつもり?」
「別に他意はないですよ?
ただ模擬戦は終わってますし、これ以上自由を奪う理由もないですから…」
少女を立たせようと手をさしのべたが、愛羅の手は少女によって払われてしまった。
「私の事を認めたくないのも、無理はないと思います。」
背を向けている少女に、愛羅は思っていることを話し始めた。
「この世界の者ではない、ましてや私みたいな人間が、ギルドマスターだなんて普通考えられませんもんね…
正直、私もまだどうしていいか、わかんないんです…」
不馴れな世界…
そんな中で、ギルドマスターと言う責任で押し潰されそうになってることを、少しずつ話し始めた。
愛羅自身、まだ葛藤しているのだ…
自分が、本当にこの学校を統べるもので良いのか…
「なに言ってるの?
あなた自分からギルドマスターをやりたいって志願して、ウィル様を失脚させたんでしょ?」
少女の口から放たれた言葉は、愛羅だけでなくアランの耳も疑わせた。
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