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「やっと前期が終わったね~」
試験であった模擬戦もすべて終わり、明日から休暇に入るため、ギルドの掃除をしていると、ニーナが嬉しそうに呟いた。
「ニーナ、嬉しそうだね?」
「だって、時間を気にしないで、休みを過ごせるんだよ?
なにしようか、迷っちゃうよ~」
漸く得たまとまった長い休暇に、ニーナの頭はすでに浮かれている。
「楽しむのは構いませんが、くれぐれも無理はしないで下さいよ?」
ウィルに少し叱られ、小さく『はーい』とだけ答えるニーナ。
愛羅もユーリも、そんなニーナを見て笑いを堪えることができない。
「二人ともひどい~…」
「ごめんごめん。
でも、やっと休みだもんね、嬉しいのはわかるよ。」
散らかしっぱなしの机の上の書類や資料を訳ながら、愛羅もそう呟いた。
「休みの話も良いけど、噂のことはどうする?
先に調べるか?」
愛羅たちの話に割って入ってきたのは、アランだった。
「そうですね…
正直、その噂の出所は早く潰しておきたいですね…」
模擬戦の時に知った、愛羅やギルドに対する噂…
「いったい誰が何のために流したんだろうね…?」
窓を拭きながら、ファルがみんなの考えていることを代弁した。
誰が噂を流したのか…
何の目的で噂を流したのか…
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