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(アランは、自分がモテてるってわかってるのかな…)
そう考えた愛羅は、改めてまじまじとアランの顔を見つめる。
背も高く、同じ一年の中でも魔法の技術は抜きん出ている。
そして顔も悪くない。
人間界で言えば、誰もがイケメンだと言うだろう。
「…なんだよ、人の顔じっと見て。」
「ん?
なんでもない、女子が騒ぐのも無理ないなって思っただけ。」
何を言ってるのか分からないと言った顔で、アランは愛羅の頭に手を置いた。
「んな事より、どうすんだ?
多少時間は稼いだが、あいつらがここに来るのも、時間の問題だぞ?」
「うん。
ここには隠れる場所はないから、なにか煙幕の代わりになるものが出せればいいんだけど…
あと、私たちの身代わりになれるようなもの…」
愛羅の考えてることの意図が、これだけで分かったのか、アランは少し考え込んだ。
「……お前、土(アンジュ)は使えるようになったか?」
「えっ…、まだ完全じゃないけど、物の形に成型するくらいなら、出来るけど…」
このところの特訓で、愛羅は魔力の使い方も上手くなり、大分力の解放加減を調整できるようになったのだ。
属性魔法も、得意不得意はあるものの、そこそこ扱えるようになってきてはいる。
「よし、じゃあ問題ないな。
あとは、煙幕の代わりになるものか…」
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