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相手をどう迎え撃つか、アランは悩み続けている。
ひとつ失敗すれば、他の作戦も気付かれてしまう。
「ねぇ…うまくいくか分かんないけど……」
少し控えめに、愛羅は自分の考えた作戦をアランに話した。
「ちょっと、本当にこっちで合ってるんでしょうね?」
魔具の杖に横座りしながら、空を飛ぶ少女が自分の前を飛ぶ少年に問いかけた。
「間違いない!
さっき捕まったときに、こっち側に向かうのを見たからな!」
「でも、霧のせいで大分視界が悪くなってるわよ?
向かってる方向とか、大丈夫なの?」
森を抜け平地に出ると、辺り一面霧に覆われているため、前方もなかなか見通しが効かなくなっているようだ。
「この辺は湿地が多いからな!
それにしても、珍しく霧が濃いな…
お前、確か風属性だよな?
この霧、晴れさせられるか?」
「えぇ、出来るけど?
でも、そんなことして平気なの?
この霧が晴れたら、向こうから私たちの姿だって、丸分かりなんじゃない?」
少女の答えに一瞬悩むが、これは模擬戦…
自分にとって不利な状況を打破できなければ、なんの意味もない。
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