217人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
「あ…あの…さっきの話…聞こえてましたか…?」
塚本と目を合わせず、うつむきながらそう問うあずさ。
一方で、何のことなのかさっぱり理解できない塚本は
「…さっきの話し…?何も…。」
ポカンとした表情で首をかしげた。
……よかった…。
塚本のその言葉を聞き、あずさの表情は一気に安堵の表情へと変わってゆく。
そしてその様子を見て何かを感じとった塚本は、
「…蓮見先生、あんまりあずさいじめないでくださいよ?」
ニッコリ笑いながら、冗談交じりに蓮見にそう言った。
「…すみません。少し度が過ぎました。」
塚本のその言葉に対し蓮見はクールにそう返すと、授業で使うプリントの束をあずさに渡した。
「…これ、授業始まる前に配っておいてくれるか?」
蓮見からプリントを受け取り、あずさはコクンとうなずいた。
そして、
「……じゃぁ…失礼しました…。」
そう言って、準備室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!