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「あ…ありがとうお兄ちゃん。とりあえずお風呂に入ってくるね。」
光也のあまりの勢いに圧倒され、さすがのあずさでも顔が引きつっている。
比較的兄弟の仲は昔から良いが、たまに光也の溺愛ぶりに鬱陶しさを感じるところがあるのであった。
「分かった!ゆっくり風呂に浸かって疲れとってこいよ。」
光也はそう言うと再びニッコリ微笑み、あずさの頭を優しく撫でた。
────ポチャン…。
あずさは体を洗い終えると、お湯が張ってある浴槽にゆっくりと浸かった。
………今日はなんかいつもより疲れた…。
でも…蓮見先生と話せてよかった。
本当にあおちゃんと柊くんのおかげだ…。
蓮見先生…思ってたのと少し違ったかも…。
まだどんな先生なのか全然知らないけど、
ちょっとだけ…いい先生なのかもって思ったりして…。
怖い…っていうのはまだ消えないけど…
これから頑張ってもっと話せるようにならないと。
担任の先生なんだから。
あずさは、蓮見とのやりとりを思い出しぼーっとする。
そして、何かを決意したかのように、うんと頷くとお風呂場を後にした。
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