気持ち。

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───え? 今の……何……? 胸が一瞬だけ“ドキッ!”って……。 初めての感情、経験に戸惑い、あずさは驚いた表情を浮かべながら自分の胸に手を置いた。 「……そろそろ戻らないとな。」 そんなあずさに対して、いつも通りの態度で接する蓮見。 蓮見は一言そう言うと、あずさの目の前にケガをしている方の手をスッと向けた。 「……手当て、してくれるんだろ?」 ______!!! 蓮見のその一言を聞き、ボーッとしていたあずさがハッと我に返る。 そうだった……! 早く手当てして戻らないと……。 「……は、はい…!失礼します…。」 あずさは再び蓮見の手をとり、優しく手当てをし始めた。 そして手当てが終わると蓮見は、 「……ありがとな。」 あずさに一言お礼を言い、先に部室を後にして、グラウンドへ戻って行った。 “ありがとな。”って言われた……。 蓮見先生にお礼言われたの…初めてだ…。 ───ドキ…ドキ…。 ゆっくりと高鳴るあずさの胸の鼓動。 あれ…?まただ…… さっきから…変なの…… 胸が…ドキドキして…熱い……。 心臓が…ドクドクって…高鳴る…。 ………どうして? あずさはそんな疑問を胸に抱きながら、救急箱の片付けを始めた。 その後で部室を後にし、蓮見から少し遅れてグラウンドに戻って行ったのであった。
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