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楓の家を訪問する玲奈。
ピンポーン──インターホンを鳴らすと、中から写真の女性が出てきた。
「どちら様?」
「五位堂の妹の玲奈です」
「五位堂って、岬の?」
「はい」
「妹がいるなんて聞いてないわよ。ま……入って」
玲奈はリビングでソファに腰掛ける。向かい側には楓が座る。
「それで、何の用かな?」
「実は姉に他殺の疑いがありまして……」
「え!? 自殺じゃないの!?」
「当時、監視カメラが正常に作動しておらず、遺書も不可解な点があって、他殺の可能性もあるなと思ったんで、調べてるんです」
「ふーん」
「それで、八坂さんは姉が亡くなった時、どこにいたんですか?」
「私を疑ってるの?」
「いや、これは関係者全員に聞こうと思ってます。さっき警察で捜査記録を見てきたんですけど、亡くなったのは一週間前の金曜日で午後八時ごろなんですけど、その時間は何してました?」
「仕事をしてたわ」
「その仕事ってのは?」
「水商売よ。私、今帰ってきたところで眠いの。寝かせてくれる?」
「それはすみませんでした。ですが、まだ聞きたいことがるので申し訳ないですがお時間を下さい」
「わかったわ。あの子のためにもなるだろうし、少しだけなら」
「ありがとうございます。では、最近、姉に何か変わったことはありませんでしたか?」
「特に何も?」
「では、何か言ってませんでしたか?」
「……? そういえば、近々大金が入るかもって。どうせ宝くじでも買ったんだと思って気にしてなかったけど」
「大金、ですか」
「ええ。詳しいことはわからないわ」
「そうですか。では、姉が誰かに恨まれるようなことは?」
「……わからないわ」
それより──と、続ける楓。「岬、本当に殺されたの?」
「怪しい点がありますからねえ」
「……そっか。何かわかったら教えてね」
「はい」
玲奈は楓の家を出た。
「さて」
玲奈は再び五位堂家を訪問した。
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