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その森の名は、魔の森エルミナ ――…
その昔、王国を滅ぼそうとした魔女が封印された森。
こ、怖くなんてないんだから……
鬱蒼とした、日の当たらない……今にも 何か出そうな……
「ねぇ、君……」
今、ポンって、肩……
「う、ぎゃあーっ!!!」
ドレスらしからぬ 全速力で後ずさった。
「……年頃の女の子のあげる悲鳴ではないね」
とても綺麗な金茶の髪に、金茶の瞳……
「もしかして、迷子……?」
「あたしは……」
「なんてね、城を抜け出してはいけないよ?お転婆ローズ姫」
くぅ、……知ってた癖に半日放置したわね?
「ふんっ、わざわざ貴方に会いに来たのに、とんだ ご挨拶ね」
「僕に?」
お城の陶磁器みたいに綺麗な癖に、腹の中では何考えているか分からない魔法使い。
首を傾げていても、どうせ知ってるんでしょ?
あたしがどうして、ここに来たか……なんて。
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