第1章

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  その森の名は、魔の森エルミナ ――… その昔、王国を滅ぼそうとした魔女が封印された森。 こ、怖くなんてないんだから…… 鬱蒼とした、日の当たらない……今にも 何か出そうな…… 「ねぇ、君……」 今、ポンって、肩…… 「う、ぎゃあーっ!!!」 ドレスらしからぬ 全速力で後ずさった。 「……年頃の女の子のあげる悲鳴ではないね」 とても綺麗な金茶の髪に、金茶の瞳…… 「もしかして、迷子……?」 「あたしは……」 「なんてね、城を抜け出してはいけないよ?お転婆ローズ姫」 くぅ、……知ってた癖に半日放置したわね? 「ふんっ、わざわざ貴方に会いに来たのに、とんだ ご挨拶ね」 「僕に?」 お城の陶磁器みたいに綺麗な癖に、腹の中では何考えているか分からない魔法使い。 首を傾げていても、どうせ知ってるんでしょ? あたしがどうして、ここに来たか……なんて。
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