第1章

4/5
前へ
/5ページ
次へ
  「それは解るけど、イヤだって言ったらどうする?」 「んなっ、(この性悪の根暗魔法使いがっ!)」 「……ほら、僕って性悪の根暗な魔法使いだし」 そう言って、フッと微笑む姿は 言ってることとは反対なのに 妙に 様になっている。 穏便に事を進めようと、せっかく ここまで来たのに…… 「…………」 「こっちだって考え「あーあ、……緋涙石も蒼月石も他も 全部真っ黒だし」」 ……あたしの魔力が 全てを染めているんだ。 髪の毛も真っ黒になっちゃったし。 「……別に構わないけど」 「ほ、ほんとっ!」 「ただし……」 「そんなの、了承するわけないでしょ!!!」 「使えないなら 魔力の逃がし方くらい覚えないと、今度は半壊くらいじゃ済まないから」 「くっ、」 修行とかあるんだったら、森なんかに引き籠もってないで十年前に言ってよ……ほんと、いい性格してるわ。 そしてこれが、あたしと この魔法使いの 始まりの話だったりする ――…
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加