序章秘密組織・イルミナティ

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
※この物語は言うまでもなくフィクションです、本気にしてはいけません。 秘密組織、あるいは秘密結社 そう呼ばれる組織が世に出始めたのは16世紀後半から18世紀初頭と言われている シオン修道会、フリーメーソン、テンプル騎士団、そして三百人委員会…その他大勢 その数や活動は様々だが、おおむね「世界征服」が最終目的と言われ 世界を揺るがす歴史的な大事件の裏には必ず秘密組織が一枚噛んでおり 人類の歴史は彼等に操れらている これが陰謀論である しかし、ここまでわかっているのに何が秘密なのだろうか あるいは、この陰謀論でさえ彼等を秘密にとどめておく カバーストーリー(おとり)なのだろうか そうまでして守る「秘密」とは一体なんなのか それを知る者は、誰もいない この星の、どこかの国の、どこかの空港の、この電話ボックスに 一人の怪しげな若い女性が公衆電話に携帯電話を物理的につなげて 電話を介して電話越しに電話をしている 長い髪に長いコートそして長いモミアゲの女性は 「e38186e3819d800」と携帯電話に入力し 公衆電話には「3000700706」と入力した しかし、つながらない 入力した秘密の番号が正しいか不安になり 確認しようとしたとたん、つながった その拍子で受話器を落としそうになるものの 素早く整え、携帯電話を口に当てながら受話器を耳に当てる さながら1970年代のロウソク型電話機のようだ 女性は一つ、咳払いをしてハロー(もしもし)と、言いかけたが 相手に遮られたのかガクっと頭を前に倒し、そして 「合言葉は、たに!」 まったく…と、肩をわざとらしくおろすと そのまま続けた 「時間通り空港に着きましたよ、リーダー」 「…はい、わかってます」 「それで、その任務はなんですか?」 「裏切者…」 映画さながらのやり取りに長いモミアゲの女性は上機嫌になったが 電話ボックスにべったりと張り付いて、どんな事象も奇跡にする眼で こちらを見上げる子供に気付き 子犬を追い払うようにシッシとアゴで撃退し 再び電話に集中した 「はい聞いてます!」 「…それで行先は?」 「ニッポン?!」 電話ボックスから出て日本にたつこのモミアゲ女の正体を この子供が知ることはないだろう。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!