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どれぐらい歩いただろうか?
いまだに声は聞こえ続け、その声が強くなる方へと近づいていくと、僕は一つの大きな扉を見つけていた。それぞれの横に大きな石柱が立っており、そのさらに横からは壁しかない。それよりも気になるのは、この扉の部分だった。
そこだけは、この赤線と白い世界の中で存在感を強く表現するかのように、とてもカラフルな色合いで塗りこまれている。しかし、カラフルだが描かれている絵は嫌悪感を感じてしまうようなものだ。
そこには何人もの人間が、そこから出てこようともがいているところを描いてある。そこに描いてある人間は、皆苦しそうで救済を求めていることをこちらに無理やり感じさせている。
僕は気分が悪くなり、絵をあまり忘れようとする。
そして、
「開けられるかな・・・?」
僕は重そうな扉に不安になりながら、扉にさわる。
すると、とんでもない現象が起きた。
触れた瞬間に、何かが僕の中に流れこむ。
ー好きー嫌いーなんで?ーあたりまえじゃん!ーしねよーがんばりなさいーめんどくさいーころしてやるーおねがい!ーきえてしまえ!ーいきてーくるしいーたのしい!ーおれのほうが!ーくやしいーちくしょうーきたの?ーねえ、まだ?ー・・・・・・・・・・・・・・・・・
頭に釘でも刺すかのような痛みを感じる。
僕は、とっさに扉から手を離し、頭を抱えた。
「なん・・・だよ・・・これ・・・・・・?」
僕は、痛む頭を押さえながら扉を見つめる。
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