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「あー、大丈夫?」
いきなり、後ろから甲高い声がして、僕はビクッと体を震わせる。
おそるおそる後ろを見てみると、そこには変態生物がいた。いや、別にエロいほうの変態ではないのだけれど。
「おいおい、マジで大丈夫か君ぃ」
そこには、頭がウサギで胴体がメタボな人間、腕からは魚のようにウロコがびっしり付いており、足からはサルのようにものすごい量の黒い毛を生やしている。
「おーい、ほんとに君だいじょうぶかあ」
僕の前に立っているこいつは、意識を確認しようと手を振ってくる。ちなみにこいつは今、アロハシャツに短パンとかなり夏な格好をしている。
「あ、あの」
「お、意識あったか!」
僕が声を出した瞬間に、そいつは嬉しそうにニヤリとする。
「いやー、いつぶりだろうなあ。ここに人間がやってくるなんてさあ」
「は、はあ。」
他にも人間がきたことがあるのか・・・?
「とりあえず、自己紹介といこうか。俺は、マップ・アルゴという者だ。アルゴと呼んでくれ。お前は?」
アルゴは手を出して握手を求めてくる。僕はそれに応えながら、自分の名前を名乗る。
「えっと、はい。俺は広月生治郎って言います」
「ほーん、ヒロツキ セイジローね。よろしくう」
今日、僕は人間ではなさそうな生物とあいさつを交わした。
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