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「そういえば、この扉の向こうのは何があるんですか?」
アルゴは頭を掻きながら、
「いやあ、それが俺にも分からないんだよねー」
「そうなんですか・・・」
「あー、あとな」
僕はアルゴの方を振り向くと、少し嫌そうな顔をアルゴがしている。
「そこの扉に描いてある絵があるだろ?」
アルゴは扉に近づき、僕の隣に来る。
「驚くかもしれないけどな、ここに描いてある人間たちはみんなお前と同じ人間だよ」
僕は一瞬にして、眼を見開く。
「・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
「おどろくよなあ、やっぱり・・・」
「・・・・・・」
僕は悲しそうな顔をするアルゴを横眼で見ながら、少しのことを感じる。
この人たちが・・・人間?
いあや、そんな感じはしない。何故かはわからないけど、そう感じる。アルゴさんには・・・言わない方がいいか。
「アルゴさん、昔ここで何があったんですか?」
アルゴは細い眼でこちらを見る。
「そんなことを聞いて、どうする?」
(・・・・・・こっちに、きて!・・・・・・・・・)
僕はここの自分の欲望に従う。
「僕は知りたいんです。ここにいる意味とこの先が」
僕は知りたい。ここに来た時から、”僕を呼ぶ声”の正体を。
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