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その時、僕の背中を押すかのように強い突風が吹き荒れた。
「うわっ」
そして同時に、僕の手も柵から離れる。
僕は、飛んでいた。
感じたこともない空中を浮遊しているかのような気持ちよさが、僕を包み込んでいく。
警官の叫び声も風によってかき消され、この世界は僕ただ一人だとさえ感じた。孤独が僕の心を埋めていく。
そして、僕は落下していき、全身に痛みが走った後、僕の意識は暗い闇の中へと急速に落ちて行った。
ああ、そうだ・・・。
僕はもう一つ、初めてのことをしたんだ。
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