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「行ってきます。」
「気を付けてね。」
定時に家を出て通う中学へと向かう。
今日も僕の街は平和だ。
この世界のどこかで戦争が起こっているなんて信じられないくらい。
「おはよっ!康介!」
「おう!尚弥、おはよう!」
近所の尚弥とも同じ時間に出くわす。
制服を着崩してチャラそうに見えるやつだが、誰よりも真面目だ。
「今日も平和だなー。」
「そうだなー。」
中学生とは思えない平和ボケした僕たちはのんびりと学校へ向かった。
「尚弥、そういえばこの前新作の映画見てきたんだよな。どうだった?」
「あれはヤバい。見なきゃ死ねないよ。」
「見なきゃ死ねないなんて大袈裟だなー。それに・・・。」
「康介おはよう!またお前独り言言ってんのか?」
同じクラスの丸井が話しかけて来た。
「ほっとけ!」
一蹴したら丸井はそそくさと教室へと向かった。
独り言。
みんなにはそう見えている。
何故なら・・・。
「それにお前、もう死んでんじゃん。」
「そうだった。」
カッカッカと尚弥は笑う。
なんでこんなに明るいんだろうなー。
こいつとは生前親友で毎日一緒に学校に行っていた。
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