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交通事故で死んだ時、僕が悲しむよりも先に幽霊としてこいつは目の前に現れた。
元々みんなには見えないものが僕には見えていたが、こんなにハッキリ見えるのは初めてだった。
「さあ、行こうぜ康介!」
こいつは死んでいるが毎日俺の横で勉強している。
「お前さ、何で勉強するの?死んでるならもう意味ないと思うんだけど・・・。」
「念のため!いつかさ、康介の体を乗っ取った時にある程度の教養がないと変に思われるでしょ?」
「なるほどねー。」
だから毎日普通に勉強してるのかー。
へー。
ふーん。
・・・。
「ってなるほどじゃねーよ!何さらっと乗っ取る宣言してんの怖えーよ!」
廊下で思わず叫んだ僕はイタイ視線を浴びた。
「うわ、1人で叫んじゃって。はずかしー。」
尚弥は壁をすり抜け教室へ消えていった。
あの野郎・・・いつかお祓いしてやる。
昼休み、いつも人がいない図書室へと向かった。
尚弥と話すにはやはり人目が気になる。
「おい尚弥。いつか乗っ取るってマジか。」
「嫌だなー。そんなにビビらないでよ。ちょっと借りたりしたいなーって思ってるだけだから。」
「いや怖えーよ。」
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