プロローグ 5年前の事件

3/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
次は、……同時にすればいいとでも言うのだろう。 「別に、………それは俺たちと一緒にいたってできるだろう!?」 予想した発言に、私は即、反論する。 「いいえ、私は普通の家族がいいの。あなた達と一緒にいたら、それは絶対に出来ないわ。」 雨が少しずつ強くなってくる。 もう行かないと、あの子達が寂しがってしまう。 私は向き直り、また、歩き始める。 すると、肩をガッと掴まれた。 「待てよ……俺にだけ、何で黙っていたのかぐらい………教えてくれよ……。」 「…………」 私は思いっきり回転しながら、相手の腕を手で押して、私の肩を掴む手を無理やり離す。相手も当然、抵抗するが関係ない。私はそのままの体勢から相手の腹にめがけて、足を伸ばす。すると、相手は吹っ飛んでしまった。 雨が本格的に降り始める。 呻く仲間だった人を横目で見、私はもう一度向き直り、歩き始めた。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!